![映画『マティ・シュプリーム』に登場するワンシーン[オッド・マインドマーク・ハイブメディアコープ提供。再販およびDB禁止]](https://cdn.www.cineplay.co.kr/w900/q75/article-images/2026-06-24/c6243570-f14a-40db-9038-deace95266a7.jpg)
1952年のアメリカ・ニューヨーク。町のごく普通の靴店の販売員マティ・マウザー(ティモシー・シャラメ演)は、卓越した手腕で、店主である叔父の評価を得る。安定したマネージャー職を打診されるが、彼の視線はただ一つ「世界最高の卓球選手」という夢に向いている。
しかし当時、卓球は人気のない競技だった。マティにとっては、大会に出場するための飛行機の切符代すら工面できない。にもかかわらず、あきらめを知らない彼は、賭けと窃盗、脅迫にまで手を染め、成功へ突き進む狂気じみた疾走を始める。
ジョシュ・サフディ監督の新作『マティ・シュプリーム』は、伝統的なスポーツ映画の公式を見事に打ち壊す。正攻法の汗ではなく、あらゆる詐欺と嘘にまみれた主人公の歪んだ成功譚によって、観客に新鮮な衝撃を突きつける。
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映画の真の面白さは、マティの計画がことごとく外れる局面で爆発する。金を巻き上げようと狙いを定めた銃口は警察の追跡を呼び、詐欺まがいの卓球騒動はチンピラたちの脅威として跳ね返ってくる。休む間もなく絡み合っていく大騒乱の中でも、観客は妙に、この破壊的な物語に引き込まれる。
前作『アンカット・ジェムズ』で見せたジョシュ・サフディ監督ならではのスピード感あふれる演出は、今回の作品でも冴えわたる。ダリウス・コンジ撮影監督が生み出した1950年代のニューヨークを彩る魅惑的な色彩と、容赦のない展開が相まって、一瞬たりとも目が離せない没入感を完成させる。
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マティは、自分こそが「選ばれし者」だという傲慢さと、成功に向けた盲目的な確信で固まった人物だ。手段を選ばず目標を追い求めるその姿は、「アメリカンドリーム」の暗い裏側をあからさまにあぶり出す。
この型破りな物語は、実在したニューヨーク出身の卓球選手マティ・ライスモンの回想録から着想を得た。ジョシュ・サフディ監督は、長年のパートナーである脚本家ロナルド・ブロンスティンとともに、この気宇壮大な話をスクリーンへと移した。
とりわけティモシー・シャラメは、本作で第83回ゴールデングローブ賞 ムービー/ミュージカル・コメディ部門 男優賞を獲得し、演技力を改めて証明した。グウィネス・パルトロウやオデッサ・アジヨンなど名優たちの盤石なアンサンブルも、作品の完成度を高める。
7月1日公開。上映時間149分。15歳以上観覧可。
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