
巨大な深海生物の体内で繰り広げられる極限のサバイバルゲーム
亡き父の遺骨を回収するため深海へ向かったダイバーが、予期せぬ災難に見舞われる。14日の公開を控えた映画『ホエールフォール:クジラに食べられた男』は、体長24メートル、体重60トン近い巨大なマッコウクジラに生きたままのみ込まれた主人公の死闘を描くサバイバルスリラーだ。
主人公ジェイが閉じ込められたのは、光の届かない深海生物の胃の中。残された酸素は、わずか60分分しかない。クジラが泳ぐたびに激しい水流が体内を襲い、致命的な胃酸がせり上がる絶体絶命の状況で、ジェイは必死の脱出を試みる。生死の境に立たされた彼を支える唯一の武器は、生前の父ミートから受け継いだ専門的な潜水技術とサバイバルの知識だけだ。
米ベストセラー作家ダニエル・クラウスの同名小説を映画化した本作では、深海の恐怖を卓越した表現で描いた映画『アンダーウォーター』(2020年)のブライアン・ダッフィールド監督がメガホンを取った。原作者のダニエル・クラウスも脚本執筆に直接参加し、物語の密度をさらに高めている。
制作陣は、観客に息苦しい圧迫感をそのまま伝えるため、映像のリアリズムを追求した。『アバター』シリーズの特殊効果を手がけた世界的スタジオ『ウェタ・ワークショップ』が参加し、全長9メートルに及ぶクジラの頭部、食道、喉頭、胃を実物大のセットとして精巧に再現した。特に、セット全体を360度回転させる特殊装置を導入。クジラのダイナミックな動きに合わせて揺れ動く体内環境を、臨場感たっぷりに演出した。
深海のリアリティーを最大限に高めるための設備も圧倒的だ。約66万リットル(L)の水を収容できる大型水中タンクを特別に製作し、撮影を行った。主演のオースティン・エイブラムズは本作の役のために事前にスキューバダイビングの資格を取得するなど、役作りに力を注いだ。クジラの体内を模した密閉セットで、35日間にわたりスタントなしで高難度の水中演技をこなし、作品の説得力を高めた。父親役にはハリウッドのベテラン俳優ジョシュ・ブローリンが加わり、ドラマに重厚感を加えている。
未知の空間がもたらす閉所恐怖症と時間制限を組み合わせた『ホエールフォール:クジラに食べられた男』は、観客にまるで深い水中に閉じ込められたかのような強烈な体験を届ける。

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