シャネルが愛した映画たち - クリステン・スチュワートのデビュー作から今日公開の『ヌーベルバーグ』まで

ラグジュアリーブランドを超えて『シネマの後援者』として... シャネルの広範な文化活動

〈物の年代記〉(2025)
〈ヌーベルバーグ〉
〈アルコ〉

◆ ファッションと映画の美しい同行 フランスを代表するラグジュアリーブランドシャネル(CHANEL)は、単なるファッションハウスを超えて映画遺産の継承者としてその影響力を広げている。シャネルは衣装デザインのコラボレーションはもちろん、映画祭の公式後援、新進人材の育成など創作活動全般に惜しみない支援を送り、『シネマのパートナー』を自任している。最近、シャネルの手が届いた話題作が次々と公開され、映画ファンの注目を集めている。

◆ アンバサダークリステン・スチュワートの監督デビュー、頼もしい支援者となる最も注目を集める作品は、シャネルのアンバサダーとして2013年から縁を結んできた女優クリステン・スチュワートの監督デビュー作〈物の年代記(The Chronology of Water)〉だ。作家リディア・ユクナビッチの同名回顧録を原作としたこの映画は、スチュワートが版権確保から制作まで8年をかけた意欲作である。女性の傷と救いを詩的に描き、第78回カンヌ映画祭『注目すべき視線』に招待され、批評家の称賛を受けた。シャネルは7年連続で公式パートナーとして活動中のドーヴィルアメリカン映画祭を通じて、スチュワートの『新人監督賞』受賞を共に祝し、強固なパートナーシップを誇示した。

◆ スクリーンに蘇った『ジーン・セバーグ』のスタイル... 映画『ヌーベルバーグ』 12月31日、まさに今日公開されたリチャード・リンクレイター監督の新作〈ヌーベルバーグ(Nouvelle Vague)〉もシャネルの公式後援によって完成度が高まった。1959年パリを舞台に、ジャン=リュック・ゴダールが世紀のデビュー作『勝手にしやがれ』を撮影する過程を描いたこの映画で、シャネルは女優ジョイ・ドイッチが演じた当時のスタイルアイコン『ジーン・セバーグ』のルックとアクセサリー制作を担当した。シャネルの手によって再現された1950年代のクラシックなスタイリングは、映画の視覚的楽しさを増す重要な要素とされている。

◆ アニメーションまで広がった芸術後援... 2026年期待作『アルコ』 シャネルの芸術後援はジャンルを問わない。2026年上半期に国内公開を控えたSFアニメーション〈アルコ(Arco)〉もシャネルの後援作品である。カンヌ映画祭で初公開後、アンシー国際アニメーション映画祭で作品賞など2冠を獲得したこの作品のウーゴ・ビエンベヌ監督は、イラストレーター出身でシャネル、エルメスなどとコラボレーションしてきたアーティストである。彼が所属するエージェンシーリメンバーズは、過去にシャネルの工房コレクション記念映像を制作するなど、ブランドとの深い芸術的交流を持っている。

映画人

リドリー・スコットが挑む終末世界×ロードムービー 『ドッグ・スター:最後の希望』試写評
ニュース
2026/8/26

リドリー・スコットが挑む終末世界×ロードムービー 『ドッグ・スター:最後の希望』試写評

リドリー・スコット監督の新作『ドッグ・スター:最後の希望』(以下『ドッグ・スター』)は8月26日に公開される. 8月25日の報道向け試写で本作を見た. ウイルスで文明が崩壊した2035年を舞台に、一人の男の旅を描くポスト・アポカリプス映画だ. ピーター・ヘラーの小説 「ドッグ・スター」を原作に、満88歳にしてなお現場を率いるリドリー・スコットがカメラを向けた. ヒック(ジェイコブ・エローディ)は隣人のバングリー(ジョシュ・ブローリン)、飼い犬ジャスパーとともにウイルスで文明が崩壊した世界を生きている. 小型機を操り物資を調達し、侵入者を偵察しながら日常を送るヒックはある日、「グランド・ジャンクション」から届いた不可解な無線を受け取る. 誰が送ったのか、本当に人が送っているのかと疑念は尽きないが、ヒックはその無線に導かれて旅に出る.

【キム・ジヨンの宝箱】生々しい恐怖から重厚なぬくもりまで 『慶州紀行』『サルモクジ』『ビッグスリープ』キム・ヨンソン
ニュース
2026/8/26

【キム・ジヨンの宝箱】生々しい恐怖から重厚なぬくもりまで 『慶州紀行』『サルモクジ』『ビッグスリープ』キム・ヨンソン

2025年上半期のホラー映画でひときわ強い印象を残した〈サルモクジ〉. その冒頭近くで、真っ先に冷たい遺体で発見される人物を覚えているだろうか. ベテランのロードビュー撮影会社代表ソン・ギョンテ(キム・ヨンソン)は、突如やらねばならない仕事が降ってきて不満だらけだ. ロードビューの不具合を直すために休日にも緊急招集され貯水池へ向かった彼は、できるだけ「大ざっぱ」に仕事を済ませて釣りをしようと考えている. 貯水池で幽霊が出たとか、奇妙な姿が見えたといった噂は信じない. しかし、幽霊を信じない者が真っ先に悲劇に遭うのがホラー映画の定石ではないか. 口先ばかりで偉そうにしていた彼は、正体不明の存在に引き寄せられて水に落ちると、薄っぺらな虚勢は跡形もなく消え、目前に迫った恐怖に圧倒され震え上がる. ギョンテは〈サルモクジ〉を観る観客を恐怖へと導く案内役のような存在だ.

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