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再上映「時をかける少女」 ジブリに見放された細田守と原作者・筒井康隆の運命的な出会い

「時をかける少女」が誕生20周年を記念し、9月16日に4K画質で再上映された。

きょう私に告白した人に、1週間前に戻って会ったとしても、やはり同じ気持ちなのだろうか。1週間前のその人は、私にまったく関心がなかったかもしれない。人の心は、それほど刻一刻と変わっていく。「時をかける少女」は、ともすれば残酷にさえ感じられる「時間旅行」という大きなテーマを、青春アニメならではの初々しさで描き直している。真琴は毎朝、食事をするように遅刻を繰り返し、学校では失敗続きのごく普通の高校生だ。彼女には功介と千昭という、周囲から見れば今すぐ恋人にしたいほど羨ましい、いわゆる「イケメン」の親友がいる。そんなある日、真琴は偶然、力いっぱい走ることで時間を過去に戻す「タイムリープ」の能力を身につける。

「時をかける少女」
「時をかける少女」

最初は驚いたものの、すぐにこの能力に慣れた真琴は、時間を戻して遅刻を免れたり、前日に受けた小テストをもう一度受けたり、カラオケの時間を際限なく延長したりと、日常のささやかなスリルを思う存分楽しむ。だが、いつものように何気なく自転車で一緒に走っていたとき、千昭が「俺と付き合わない?」と告白する。もう一人の友人、功介はすでに後輩の女子たちから告白されていた。混乱した気持ちを落ち着かせるため、真琴は告白される前に時間を戻し、すべてをなかったことにしようとする。しかし、何度も時間を巻き戻すうち、真琴はねじれてしまった時間の中で大きな混乱に巻き込まれる。しかも、時間を戻せる回数にも限りがあることを知る。

「時をかける少女」
「時をかける少女」

まず、原作について触れないわけにはいかない。「時をかける少女」の原作が世に出たのは、今から半世紀以上前の1965年だ。日本ではそれほどに時間旅行ものの古典として知られ、その後、ドラマや映画、漫画などに何度もリメークされてきた。原作者の筒井康隆は、SF同人誌「NULL」で活動した日本を代表するSF作家だ。『日本沈没』で知られる小松左京、日本SF界の長老と呼ばれた故・星新一とともに、日本SFの3大巨匠に数えられている。日本では『パプリカ教授の反乱』のほか、『イルカが島を食い尽くす』というSF短編集が刊行されたことがある(後に『人間動物園』として再刊されたが、現在は絶版)。また、彼の原作を基にした漫画として『七瀬』と『時をかける少女』が刊行された。

原作小説(左)と筒井康隆氏

1934年生まれの筒井康隆は、1990年代以降も精力的に活動している。塚本晋也監督の『双生児』(1999年)では悪の元凶ともいえる父親を演じ、犬童一心監督の『金髪の草原』(2000年)では老人・日暮里の声を担当した。興味深いのは、『日本沈没』(2006年)の対極にある作品として奇妙な注目を集めた『日本以外全部沈没』(2006年)に、原作者であると同時に俳優としても出演したことだ。1973年、小松左京の小説『日本沈没』がベストセラーになると、祝賀の酒席で星新一が酔った勢いで「日本以外全部沈没」と口にした。隣にいた筒井康隆はその言葉に着想を得て、星新一と小松左京に了承を求めたうえで、『日本以外全部沈没』という題名の短編小説を書いた。日本SF小説の3大巨匠が一つの逸話で結びつく、珍しいエピソードといえる。さらに、彼は慰安婦少女像をめぐって到底口にできない暴言を吐き、大きな問題にもなった。問題のSNS投稿はすぐに削除したものの、当時、日本国内の多くの書店に対し、『時をかける少女』を含む全作品の販売停止を求める動きもあった。実際、彼は歴史認識を欠く日本の右翼を批判していた人物の一人だったが、この一件で「嫌韓」というレッテルを貼られることになった。

「時をかける少女」
「時をかける少女」

一方、筒井康隆をSF作家と呼べるかどうかについては意見が分かれる。しかし、SFというジャンルを含みながらそれを超え、日本現代文学における重要な表現の一角を占めていることは確かだ。彼は、奇抜な想像力と奇怪な毒舌に満ちた、自由奔放な語り口で知られる。『イルカが島を食い尽くす』に収録された短編の数々は、彼の後期作品の傾向を知るうえで注目すべき作品だ。交通事故の後、犬の心臓と豚の胃を移植され、自らを「人間動物園」と嘆く作家の物語『条件反射』。優しく優雅な女性アンドロイドではなく、アンドロイドだからどれほど乱暴に扱ってもよく、壊してしまうこともできる風変わりな女性アンドロイドが登場する『サディズム』。「男性はむしろ浮気をして歩き回るほうがいい」と強弁する『欲求不満』など、彼はほかの作家とは異なり、後期になるほど毒舌を濃くしていった。

「時をかける少女」
「時をかける少女」

このように彼について長々と語ったのには、2つの理由がある。1つ目は、『時をかける少女』が彼の全般的な作風から大きく外れ、毒舌をほとんど見いだせない、優雅で柔らかな作品だからだ。日本で刊行された彼のさまざまな作品に触れたことがある人なら、作品の題材である「時間旅行」をするかのように、彼の別の一面を見ることになるだろう。2つ目は、過去の彼の想像力がどのように現在化するのかを見てほしいからだ。彼の作品に見られるメディア批判、臓器移植の問題、たびたび描かれる性と欲望へのまなざしは、実に奇抜で先駆的だ。しかし、あまりにも先駆的だったため、現在の視点から見るとやや古びて見える部分も多い。まさに「時をかける少女」は、日本で原作自体がアニメーションである近年のSFアニメ作品を別にすれば、日本のSF小説の伝統が日本アニメの歴史とどのように出会うのかを示す好例である。

「時をかける少女」
「時をかける少女」

『時をかける少女』で筒井康隆らしいハードボイルドなユーモアを見つけるのは難しい。アニメーションとして初めて制作された「時をかける少女」は、原作をそのまま映像化するのではなく、新しい世代の物語として翻案された。細田守監督がそれ以前に『デジモンアドベンチャー』(2000年)と『ワンピース THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島』(2005年)の演出を手がけていたことを考えれば、十分に想像できることだ。さらに、『ワンピース THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島』は、ほかのシリーズ劇場版とは異なり、原作の設定をそのまま取り入れることが少なく、シリーズで最も感情的な作品として評価された。そう考えれば、「時をかける少女」における細田守流の変奏も、より理解しやすいだろう。監督自身が制作当時、40歳に近く、過去の原作を懐かしむ空気があったためか、原作の主人公は35歳の女性で、美術品修復家として働く真琴の叔母として登場する。原作のノスタルジーを抱くファンにとっては、最もうれしい瞬間だ。

「時をかける少女」
「時をかける少女」

また、「時をかける少女」は、自然に女性主人公が登場するスタジオジブリ作品の数々を想起させる。「成長アニメーション」という点でさまざまな意味で最も近く見える近藤喜文の『耳をすませば』(1995年)をはじめ、宮崎駿が自ら監督した『千と千尋の神隠し』(2001年)や『ハウルの動く城』(2004年)も同じ文脈にある。2005年に東映アニメーションを退社してフリーランスに転向し、『ハウルの動く城』の制作を担当したものの、ジブリ側が宮崎駿を再び呼び戻したことで、残念ながら途中降板を余儀なくされた細田守にとって、「時をかける少女」はあまりにも見事な再起作となった。


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