世界最大のライブストリーミングプラットフォーム、Twitch(Twitch)が、広告主の意向に沿わないコンテンツを見つけ出し、該当するストリーマーへの広告収益の支払いを遮断するため、リアルタイムAI監視システムを導入していたことが明らかになり、ストリーマーから強い反発を受けている。
CEOのダン・クランシー氏によると、Twitchは現在、ブランドセーフティー確保のためすべての配信を文字起こししており、ブランドに適合しない可能性のあるストリーマーをAIで特定している。
— Zach Bussey 🇨🇦(@zachbussey) 2026年9月29日
広告主が目指す内容に合わないとAIが判断したチャンネルやコンテンツには、広告を表示しない。 pic.twitter.com/aGGq9fDb7U
■ CEOのダン・クランシー氏が明らかに…「AIが配信中のすべての音声を文字起こしし、ブランド適合性を評価」
Twitchのダン・クランシーCEOは最近、ポッドキャスト「ザ・スナ―ケティング・ポッドキャスト(The Snarketing Podcast)」に出演し、Twitchがリアルタイムのライブ配信で流れる音声をAI技術によって文字起こしし、その内容を基に、ストリーマーがブランド広告を掲載するのに十分「クリーン」なコンテンツを提供しているかどうかをAIで評価していると明らかにした。
Twitchは当初、18歳以上を対象とするゲームや成人向けアートなどを配信する際、ストリーマー自身がタグを付けて分類する「コンテンツ分類ガイドライン」を運用してきた。クランシーCEOは「クリエイターによる自主的なラベル付けの正確性は99%に達しているが、最近はブランドセーフティーを確保するため、ストリーマーが広告主のブランドに適合するかどうかをAIで直接判定・分析する投資を大幅に増やした」と説明した。
つまり、広告主が嫌う下品な言葉や政治的発言、性的な冗談などを普段から頻繁に口にするストリーマーは、AIの監視網にかかり、広告配分から除外されたり、収益を大幅に減らされたりする可能性があるということだ。

■「スポンサーがいない時は自由に配信していたのに…」ストリーマーから怒りの声
このニュースが伝わると、現場のクリエイターらは、Twitchがストリーマーの日常を過度に統制しようとしているとして強く批判した。
約3万人のフォロワーを持つTwitchのパートナーストリーマー「スティーブインスポーン(SteveInSpawn)」は、エンターテインメントメディアのアフターマス(Aftermath)を通じて、「広告スポンサーの配信をする時は政治の話を避け、セサミストリートのように穏当な内容にするが、個人配信では愉快な冗談も言うし、荒っぽい言葉遣いもする。すべてのクリエイターがそうやって活動している」と語った。その上で、「ブランドに合わせて振る舞うべき時と、そうでない時は自分たちで区別しているのに、1人でいる時に言った性的な冗談までAIが告発して広告費を奪うなんて、到底納得できない」と怒りをあらわにした。
とりわけ、性的少数者(LGBTQIA+)やバーチャルユーチューバー(VTuber)のクリエイターからは懸念が強まっている。1万6000人のフォロワーを持つ「ルミナスレッド(LuminusRed)」は、「過去の実験で、『レズビアン』のようなクィア関連のタグを付けると広告収益が減少することを確認した」とした上で、「AIがニュアンスや文脈、イントネーションをまったく理解しないまま、無差別に鏡を向けるようにブランドにとって不快かどうかを判定し、収益を削ってしまうのではないかと恐れている」と指摘した。
またストリーマーらは、自分が特定のブランドのブラックリストに載った理由を、Twitchから透明性をもって説明されない可能性も大きな問題だと指摘している。
■「生々しい真正性」を掲げてきたTwitchの二面性
Twitchは近年、AIを基盤とする生成コンテンツがあふれる時代において、舞台上のクリエイターが見せる「ありのままの真正性(Authenticity)」とリアルタイムの交流こそが、プラットフォーム最大の武器だと強調してきた。
しかし今回のAIによる精密な監視システムは、生々しさの魅力を消し去り、すべてのクリエイターに対して、委員会の審査を経たかのような退屈で無味無臭のコンテンツだけを強いるものだとの批判を免れにくい。広告主にとってブランドセーフティーが重要なのは確かだが、過度なAI検閲がライブストリーミングの本質である楽しさと自主性を脅かしているとの声が高まっている。



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