
初めて聴く曲なのにどこかで聞いたことがあるような感覚。初めて見るステージなのにどこかで見たような既視感。6月3日に公開された〈ワイルド・シング〉を観た観客なら、おそらくそう感じただろう。本作は、懐古的な意匠にとどまらず、物語そのものが往年の歌手や名曲を思い起こさせる作品だ。シネプレイ記者が本作から連想した歌手と楽曲を、それぞれの記憶とともにたどった。読者も映画を見て思い出したことがあればコメントで共有してほしい。
チュ・ソンチョル - ヨントクス・クラブの「チョン」
「他の女ができたのなら、ひとりでいたいからなら、いつまで待てるのだろう、私たちの愛のために…」〈ワイルド・シング〉を観て思い出したあの頃の歌は、ヨントクス・クラブの「チョン」だ。チェ・スンミン(ラップ)、パク・ソンヒョン(ボーカル)、ハン・ヒョンナム(ボーカル・ラップ)、ソン・ジナ(ボーカル・ラップ)、イム・ソンウン(ボーカル)で構成された混成グループ、ヨントクス・クラブは「若い悪ガキたちの集まり」という意味で、ソテジとボーイズのメンバー出身のイ・ジュノがプロデュースし、1996年7月9日に1stアルバム『チョン』でデビューした。いずれもイ・ジュノが発掘したビーボーイ、ビーガール出身で、ナイギ・ダンス(いわゆるブレイクダンス)を披露するなど群舞とステージ支配力に優れており、なにより「チョン」はトロット風のメロディを組み合わせ、歌いやすい歌詞で大きな人気を博した。当時はH.O.T.の楽曲を抑えて歌番組1位になったこともあり、現在はディズニー+シリーズ〈ファイン〉など映画やシリーズの音楽監督としても活躍しているヒットメーカー、ユン・イルサン作曲の曲だ。

年月がたち、イム・ソンウンがあるドキュメンタリー番組に出演し「所属事務所の責任者が精算をきちんとしなかったことに抗議したため脱退を要求された」と明かした。結局半ば強制的に脱退した後、ソロの1stアルバムのみを出して事務所を移った。しかし脱退後も2ndアルバムに参加して作詞を手掛け歌も歌い、フィーチャリングで支えたり年末特番でヨントクス・クラブの名義でステージをともにするなど、元メンバーたちと仲が良さそうな様子も見られ、不思議に感じられた。さらに時が流れ、2018年の『Two Yoo Project - Sugarman 2』出演時にイム・ソンウンは「私は精算をすべて受け取ったが、ほかのメンバーが精算を十分に受けられなかったため、姉としてメンバーと事務所の間の精算問題を直接解決しようとしたところ、お金目当てだという悪質なうわさが立って自主的に降りることになった」と告白した。そんな一連の事情が、いかにも〈ワイルド・シング〉的で、ヨントクス・クラブを思い起こさせたのかもしれない。
いや、実際にはドラマ『みんなが自分の無価値さと戦っている』のおかげで思い出した、というのが正しいだろう。ふとファン・ドンマン(ク・ギョファン)の過去が見たくなり、OTTでイ・オクソプ監督、キム・コッピ、ク・ギョファン主演の短編『4年生ボギョン』(2014)を久しぶりに再鑑賞したのだ。東洋画科の卒業年次のボギョン(キム・コッピ)はトクウ(ク・ギョファン)と4年目の交際中だが、ペク先輩(ベク・スジャン)を好きになる。先輩の家に行ったボギョンは連日トクウに、捨てられたソファや中古の扇風機を作業室に運ばせる。こうしてボギョンとトクウは別れ直前の局面に達するが、偶然窓の外で歌を流しながらダンスの練習をしている学生たちを見かける。そのとき長く流れる歌がまさにヨントクス・クラブの「チョン」だった。まだ別れる決心がつかない二人の内面が、あの歌でそう伝わってくるのだ。「本当に私を愛していたと言って、私なしでは生きられないと、空のように信じていたのに、今になって別れようと言われ、残った愛はどうすれば、思い出はどうすれば、会いたくて涙が出たら、本当に私どうしたらいいの、これは夢だろう、信じられない、私をどれだけ愛していたのに、こんなことはありえない〜」
キム・ジヨン - タートルズの「飛行機」
人は10代に聴いた曲を一生口ずさむ、と言われる。その観点で振り返ると、私の時代はいわゆる「混成グループの悲劇」が展開した時期だった。今は『All Day Project』のようなユニットが人気だが、私の時代に名の知れた混成グループは『Trouble Maker』(ヒョナ&チャン・ヒョンスン)くらいだった。いわゆるK-POPファンの間で知られた男女共学、トリプルH、ネスティネスティなどは、メンバー間の交際、さらには犯罪に至るまでさまざまな理由で解散を迎えた。

振り返れば〈ワイルド・シング〉の『トライアングル』もまた不名誉な出来事で解散したことから、「混成グループの悲劇」の道を歩んだと言えるだろう。〈ワイルド・シング〉は正確な時間的背景を設定していないが、映画の中の『トライアングル』とチェ・ソンゴンが活躍していた時期はおおむね90年代後半から2000年代初頭と推定される。〈ワイルド・シング〉を見ていると、いわゆる『無限挑戦』の“トトガ”、そして『遊ぶなら何する?』の“サックスリー”などから始まった復古ブームや、90年代の歌手を再召喚する番組群を思い出す。だから最初は〈ワイルド・シング〉もそうしたノスタルジーに寄りかかる作品だと思っていた。しかし本作は、ノスタルジーに安易に寄りかかるのではなく、先の読めないロードムービーとドタバタ劇として突き進む。
〈ワイルド・シング〉の映画的リズムと情緒をあの時代の一曲で圧縮するなら、タートルズの「飛行機」がふさわしいのではないか。歌詞の「青い空の上へひらりと飛んでいくでしょう 幼い頃夢見た飛行機に乗って」というフレーズとメロディが〈ワイルド・シング〉とよく合う。幼さの記憶の中で飛行機、いやジープに乗って行く映画のようでもある。過去の栄光を再び呼び戻すために集まった『トライアングル』のメンバーたちは、幼い頃に夢見た「飛行機」のような存在、すなわち『舞台』のために疾走する。彼らは「全部の準備は終わった きちんと着飾って出かけたら外の景色まで高揚する時が来た 空の上へ飛ぶ瞬間だ 少しは怖くても見せまい 今回が初めてだけど前にしょっちゅう飛んでたじゃないか」と歌う『飛行機』の歌詞のように、期待と緊張を抱えて会場へ向かう。しかし向かう道は本当にワイルドだ。ひょんなことで人を死なせてしまうかもしれないような出来事も起き、車はボロになり、再起を夢見ていたメンバーたちは路上に座り込む羽目になる。実際にタートルズの「飛行機」の歌詞は噛みしめるほどに切ない。「多くの人々の間を抜けて最後のゲートだ 私も知らずに落ち着かずにいる こんなときは冷静に少し自然に」といった一節のように、語り手は触れられそうで触れられない夢の最後の関門の前で戸惑う。しかし『飛行機』に込められた笑いで涙をぬぐうような韓国人の情緒こそがK-POPの根幹を成す、ほのかな切なさと清涼感が同居するK-POP特有のムードではないか。〈ワイルド・シング〉もまた、笑えて切なく、楽しくてどこか哀しい、そうしたムードを色濃く漂わせている。
ソン・チャンオル - UPの「海」
初めて『トライアングル』を見たとき、私が思い浮かべたグループはH.O.T.だった。なぜこんなにも初々しい混成グループを見て男性グループを連想したのかは自分でもよく分からないが、その源をたどればヒョンウ(カン・ドンウォン)のヘアスタイルにあるのだろう。前髪をたっぷり下ろしたようなヘアスタイルや、バンダナで長髪を隠すスタイルは私にとってすぐにH.O.T.を想起させた。もう一つの理由を挙げるなら、私の人生で初めて好きになったアイドルがH.O.T.だったからだ。もちろん私の記憶の彼方にはH.O.T.以前に活躍した立派な歌手たちもいるが、それでもアイドルグループという点、そして私が実際に歌ではなくメンバー一人一人を記憶した最初の歌手という点で、条件反射のようにH.O.T.が頭に浮かんだのだ。『トライアングル』が二度目に披露したコンセプトも、H.O.T.が2集で見せた型破りなスタイルを思い出させた。

そこで混成グループといえば誰がいるだろうと考えると、二組が思い浮かんだ。ひとつは真の意味で「国民歌手」というタイトルがふさわしいCOOLだ。彼らは今でも夏になると名曲のひとつひとつが流れてくるので説明の必要はないだろう。続いて思い出したのがユーピー(UP)だ。これをどう読むべきか、アップなのか何なのか迷った時期に彼らが発表した「プヨプヨ」と「海」は、90年代に登場した新鮮なサウンドをそのまま示している。いくつもの効果音を混ぜ合わせたようなビートの上で各メンバーの個性的な声質が際立ち、物語性とユーモアを同時に含んだ歌詞は夏に必要な爽快さを十分に満たしていた。リズミカルな曲に比べてかなり単純で誰でもまねできるポイントダンスはレクリエーションにも使え、その生命力が長く続いたのを覚えている。思い出したついでに久しぶりに聴いてみると、忘れていたはずの体が自然とドゥムチットドゥムチットと動き出す。〈ワイルド・シング〉の勢いに背中を押され、一度は伝説の混成グループ・ガラショーでも開かれないかという小さな願いが生まれる。





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