※ 下記の内容に含まれる画像はすべて藤崎竜作家と各国の出版社に著作権があることを明示します。
最近、日本に旅行に行ってきた。訪問目的がアニメ 〈ルックバック〉の原画展だったので、旅行期間中に何をしたかは容易に想像できるだろう。そうやって‘オタ活’をしようと店を見て回っていると、少なくとも7回以上読んだのにすっかり忘れていた作品のグッズを見つけた。それは1996年から2000年まで連載された 「封神演義」だった。


藤崎竜作家の 「封神演義」は同名の中国古典小説を基にしている。正確にはそれを翻訳した日本版が基盤だ。比喩を使うなら‘三国志’と言えば三国志正史よりも‘三国志演義’を思い浮かべるように、日本ではあのツトムが新たに書いたバージョンが有名で、この作品もそれを基に出発する。
「封神演義」の内容はこうだ。(中国古典小説を含む)殷王朝が周王の暴政で滅びそうになると、仙界から直接太公望を派遣する。周王を魅了した仙女・妲己を打ち破り、人間界を混乱させた妖怪たちの魂を回収する。そして殷王朝の空いた席を引き継ぐ王朝を立てる。太公望は当時の最高の忠臣であり、正直者として有名な西岐を助けることになる。



古代中国を背景にしているので武侠物を思い浮かべやすいが、 「封神演義」はそれよりもファンタジーやSFに近い。各仙人は自分だけの武器‘宝貝’を持っており、これらは強力な武器以上に人間や天候を操るなど、当時の技術を超越するオーバーテクノロジーの産物だ。どう見てもバトル物の正統派に見えるが、これが 「封神演義」の差別化ポイントだ。数多くの科学的想像力で武装した 「封神演義」は宝貝を利用した奇想天外な戦略や戦闘シーンを展開するだけでなく、作品全体を貫く伏線を構成する。面白さのために具体的な説明は避けるが、こうした理由からバトル物でよく直面するいわゆる‘パワーインフレ’問題を巧みに回避している。
また、 「封神演義」は古典小説を基にしているだけあって、様々な人物の物語が非常に強烈だ。この物語にはほぼすべての人間関係が登場する。王と臣下、師匠と弟子、家族、愛する恋人、創造者と被造物などなど。そして彼らの関係は‘滅びゆく王朝と革命の集団’という大義名分の動きの中で変化する。冒険物のように愉快に幕を開けた 「封神演義」は、回を重ねるごとに結局誰もが生き残れない戦争と情勢の残酷さを人物の物語に溶け込ませる。最近の少年漫画で一種のクリシェのひねりに集中した結果、キャラクター性が崩壊するのとは対照的に、 「封神演義」はキャラクターの性格に基づいてプロットのひねりを適切に引き出すことに成功している。そうして展開の完成度とキャラクターの魅力の両方を兼ね備えている。


かなり久しぶりに 「封神演義」に出会って思うのは、作品ごとにその生命力は少しずつ異なるという点だ。断言できるのは 「封神演義」は今出ているほとんどの漫画と比較しても優位だ。個人的な意見を付け加えるなら、 「鋼の錬金術師」に劣らず冒険劇の形式を基にした哲学的で美しい作画、印象的なキャラクター性、人間群像の描写をすべて備えた作品だと評価したい。

しかし、今の 「封神演義」の人気を考えると、連載前後に享受したものに比べて物足りないという言葉が自然に出てくる。現在、一般的だと言うには売っている人だけが売っている、知っている人だけが知っている作品のように感じられる。最初から最後まで最低7回は見た私でさえも‘そうだ、こんな傑作があった’と懐かしさの中で思い出すだけだからだ。おそらくそれはこの漫画がそれだけうまく閉じられているからかもしれないし、連載期間が人気に比べて短かったからかもしれないし、藤崎竜の作画が今の時代に合わなくなったからかもしれない(ふとグッズ化するのが非常に難しい服装と画風のせいかと思ったりする)。
人気が今も衰えていないとしても、 「封神演義」はぜひ一度は読んでほしい。‘ここに一つは君の好みだろう’という様々なキャラクター、忠と民心の対立、繊細でありながら大胆な狂気の描写、何より王朝の交代から始まり想像もできないスケールにまで広がる展開など、作品の魅力は時を超えて今も息づいている。藤崎竜のギャグセンスはおまけだ。連載当時23巻で完結したが、現在は大元社から18巻の愛蔵版が発刊されている。ずらっと並べると一つのイラストで完成する表紙を楽しみながら、人間界と仙界を行き来する叙事詩に出会ってほしい。
※ 参考までに二度アニメ化されたが、推奨はしない。二作品とも急展開で原作の展開を捉えることに失敗した。


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